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フィルム写真をやってみたい方へ (2/3)〜カメラは何を使えばいいか〜


目次 

(長々しく書いてるので必要なとこだけ見ちゃってください。)


フィルムカメラ買いたいけど、何買えばいいのか分からない

という方へのための記事です。


本題に入る前に、、、

フィルムカメラとデジタルカメラの違い

フィルムカメラがいまいち何なのか分からない方のために。

そりゃ見たことないのは分からないですよね、ご安心を

フィルムカメラ → フィルムを使う。

画像情報はフィルムが感知しフィルム上に直接焼かれて記録される。一枚撮ったらフィルムを巻いて次の新しいフィルムの箇所に画像を焼くといった風に写真を撮る。

デジタルカメラ → センサーを使う。

センサーが入ってきた光を感知し、カメラのコンピューターが情報処理し、画像を作成する。画像はSDカードなどの記録媒体に記録される。(超高速連写可能)

基本的に大きな違いはフィルムか、センサーかの違い。差込口の規格があえば、何十年前のフィルムカメラのレンズを今日買ったデジタルカメラに使えたりしますよ。一部機種はフィルムをセンサーと切り替えができるカメラもあります。(Hasselblad )

画像の優越からしたら、デジタルカメラで撮った写真の方が優れています。フィルムは所詮昨日の技術なわけです。今時のデジタル写真の技術はパナいです。ただそれが”良い”写真かどうかは別です。(鋭く写った写真≠良い写真)ただ写す情報量がデジタルの方が多いというだけです。そもそもフィルムとデジタルって違う技術なので比べるってのもなんかナンセンスな気がしないこともないですが。

音楽に当てはめたら、レコードvsスマフォに入ってる音楽て感じです。スマフォの方が音楽収容量半端ないけど、レコードの方が1アルバムもっと集中して聴けますよね。写真の場合のアナログもそんな感じです。数じゃなくて、自分がそれを観賞できているかが焦点です。


フィルムってどのカメラ使えば良いん?

で前置きがかなり長かったですが、本題です。

フィルムカメラ使ったことないけど、どこでどれ買えば良い?という質問ですが。

場所:近所の中古カメラやさん、ヤフオク(取引前歴があり、良い評価がついてるセラーから買いましょう)

物:動けるやつなんでもOK(動作未保証とか書いてるやつは絶対買わない!!!)、気に入ったらネットで狙ってる機種リサーチして自分に良さそうか調べる。(例:自分は電池を全く使わない機種が好き、だから気になる機種が会ったらまずググって電池を使わない機種か調べてます。)

の手法でOKかと思います。欲を言えば、物が動く動かない以外にも「カビ・チリ・くもりほとんどございません」と書いてるのが望ましいです。カビ・チリ・くもりとはレンズまたはファインダーのコンディションの指針となる言葉でこれらが多く混入してればするほど、悪いコンディションです。もちろん良いコンディションのカメラは高いです。その他コンディションを表す用語が買う時に見えるかもしれませんが、ググればOKです。他のカメラマニアの人が詳しく説明してくれてます。

自分がカメラ買うときは基本カビ・チリ・くもりの程度と動くかどうかを指針にして探してます。動作・写真のクオリティに関係ない外観に少し傷ありとかは全く気にしませんです(汚くてもちゃんとした写真撮れればいいというスタンス)。なんなら自分がリュックにカバーなしでポイって入れて毎日持ち歩くタイプなので、なくてもいつの日か傷はつきます。笑

結論言うと初心者にはCanon AE-1 Program をお勧めしてます。これ生産数が一番多かったカメラの機種なので。めちゃくちゃ安く手に入りますよ。使いやすいし。自分のは8千円でレンズ付きで確か手に入れました。普通のAE-1とAE-1 Program2つあるのですがAE-1 Programの方が使いやすいです。あと、このカメラは電池を使って動いてるのですが、対応バッテリーがもう生産してないです。代替の物を買わないといけないのですが、ここでその説明は割愛いたします。

まあ、個人的なアドバイスは「取りあえず買ってみ」 です。自分の分からない分野はリサーチするよりも、突っ込んだ方が早いもんです。それで金損しても保証は出来かねますが笑。まあきちんとした売り手から買えば基本大丈夫だと思います!



フィルムカメラの種類

この章は主に自分が持っているカメラを例に自分の価値観で紹介してます。カメラが本当に自分のニーズに合うかどうか、買う都度必ずネットでどんなカメラか確認してから買った方がいいですよ!「ここで紹介している=あなたにとってベスト」ではございません。

自分が良く使うカメラの種類です。我らがCANON AEー1 は右上のやつだよ!

そんなフィルムカメラですが当然種類がいろいろあるわけで、ここでは種類別に解説していきます。記事の一番最後に各機種のサンプル写真掲載してます!

大きく分けて4種類カメラは種類があります。

  1. 35mmカメラ ←おすすめ

  2. 中判カメラ(ブローニー)

  3. 大判カメラ

  4. ポラロイド(インスタントカメラ)


 1.35mmカメラ

オーソドックスな小さいカメラです。ほとんどのフィルムカメラが35mmカメラです。代表的なのが我らがCanon AE-1、Nikon Fシリーズ、 Olympus OMシリーズ, Leica Mシリーズですね。あのカンカンに入ったフィルムは35mmフィルムと呼ばれるので、これらのカメラに使います。

同じ35mmでも更に2つにカメラの種類が別れます。

  • 35mm一眼レフ 

例:Canon AE-1、Nikon Fシリーズ、 Olympus OMシリーズ

  • 35mmレンジファインダー

Leica Mシリーズ(高級カメラです)、Olympus 35SP(私の愛用メイン機です、本当お世話になった。これからもよろしく)

Canon AE-1 Program

私の愛しいOlympus SP-35 右上の覗き穴に注意

後ろ側からみた2つ。左の一眼レフはカメラ内側に鏡が入っており、鏡を通してレンズを通して覗き見るというスタイルです。右のレンジファインダーは覗き穴が貫通してます。

この2種類、ちょっと作りが違うんですよ。それぞれ良いところと、悪いところあります。

大きくまとめると

35mm一眼レフ 

  1. シャッター音がでかい。(bad)

  2. ファインダー内に見える物が、そのまま写真に映る(good)

35mmレンジファインダー

  1. シャッター音が静か。(good)

  2. ファインダー内に見える物と、写真に映る物がちょっと違う。(bad)

  3. 焦点を合わすスピードが速い(good)

  4. 一眼レフより軽い(good)

  5. しばしばメンテに出さないといけない(bad)

一眼レフの1番の利点はファインダーに見える物がそのまま写真に写るという点(デジカメなら当たり前の事ですが、、)ポートレートなどに向いている。これはカメラ内にプリズム、鏡を設置し、レンズを通して見る事ができるため。レンズが変わるとファインダーで見れる像の大きさ角度等も変わるのをリアルタイムで確認できる。悪い点は利点でもあるその鏡。鏡があることにより、必要時以上にカメラが重くなり(いつも持ち歩く人には致命傷)、シャッターを切る時に像がフィルムに行くように鏡を上げるのだが、この際にブレと音が発生する。ブレの振動で写真の画質に影響を与える(三脚を使えば回避可能)、また撮るときのガシャんという音で周囲の注意を引き、写真が撮りづらくなる。

レンジファインダーの利点は何よりも持ち運びやすく、静かに写真を撮れるというところ。一眼レフのように中にでかい鏡が入ってないため、音を抑え、大きさも抑えれる。シャッターはレンズ内でシャッターが切れる仕組みになっている(Leaf Shutter)レンジファインダーは右目でビューファインダーを見て、左で周囲を確認といった写真の撮り方ができるため、常に状況が変わり狙った一瞬を撮るStreet Photographyに向いてる。パッと取り出せて、サッと写真が撮れるレンジファインダーは個人的にお気に入り。欠点は焦点の合わせ方に少し慣れが要るのと、写真に写る物が必ずもビューファインダーと同じではない。(少しズレがある)たまにレンズキャップつけたまま写真撮っても気づかない。また、デリケートな機種でメンテナンスに出さないといけない。また、巷に鏡がない分、レンズとフィルムの距離が縮まり、画質が一眼レフよりよくなると言われている。文系なので光学の理論的な確信はないが、確かに画質はレンジファインダーの方がきれいな気がする。

フィルム初めての方には一眼レフの方をお勧めします。レンジファインダーよりも使いやすいと思います。

レンジファインダーのミスの一例。自分のレンズにこの椅子の撮ってが入っているのに気づかなかった。(ビューファインダーはレンズより少し左上についてるため)


2.中判カメラ(ブローニー)

35mmよりも大きなフィルムを使うカメラです。大きなフィルムを使うので、その分画質も大きく向上するのですが、カメラ、レンズの大きさも半端なくなります。機種の値段も高くなるし、使用する中判カメラ専用のフィルムの値段も高いです。(120mmフィルム)このフィルムはカンカンじゃなくて、紙で巻かれたタイプのやつです。(これ見せるには封あけなあかんタイプのフィルムなので、写真ここでは割愛します。)仕組みは先に述べた35MMの一眼レフ、レンジファインダーとも同じです。機種は大きく分けると、

  • 中判一眼レフ

    例:Hasselblad 500c/m (アポロと共に月に行った名機です), PENTAX 67 

  • 中判レンジファインダー

    例:Mamiya 7

  • 中判二眼レフ ←New

例:Rolleiflex 2.8 F, Yashica

 となります。上に載せてる例は全て高い機種なので、私の今持っている中判カメラの写真下に載せてます。お金欲しい。

一眼レフ(Mamiya RB67)横から見た図

二眼レフ(Flexaret 4) 横から見た図

一眼レフ(Mamiya RB67 )上から見た図

二眼レフ(Flexaret 4) 上から見た図

中判カメラの一眼レフ、二眼レフは見下ろして撮る系のウェイストレベルビューファインダーといわれる機種が多いです。この見下ろしタイプのいいところは、撮る人が下を向いてるので、モデルがカメラを前にしてもあまり緊張しない点です。

中判一眼レフですが、シャッター時の振動が半端ないです。カシャって音じゃなくて、バゴっ!てなります。めちゃくちゃブレるんですよ。35mmを使ってるときは脇閉めとければ、なんとかいけたのですが、中判は三脚使わないと無理ゲーです。

反対に二眼レフは、鏡が動かないので、ブレません。シャッターも静かなので、よく街中で写真撮る時に使っていました。ただ、欠点としてレンズ確か交換できる機種なかったような、、、(間違ってたら御免なさい)私が持ってるのはレンズ交換できません。

一眼レフの構造、を二層に分けてみたって感じのカメラです。利点はブレないところ。上のレンズが自分が見る用、下のレンズが写真用です。また、これもレンジファインダーと似たような理由で、ビューファインダーに写る像が必ずしもフィルムに写る像とは限りません。よく写真撮ってる時に指が写真に入ってたという事があります。

で、中判レンジファインダーですが、高価なので実は私持っておりません。。

なので、下のビデオでどんなのかみてみてください。(基本的に35mmカメラのデカイ版)

Mamiya 7 高価なので、持ってません。どんなカメラか知りたい人はこのビデオどうぞ。

中判は基本デカく重いです。ですが半端なくきれいな写真を撮ります。雑誌の写真とかも中判カメラの写真が利用されています。元々持ち歩くというより、室内スタジオ用なんですね。中でも上のMamiya RB67はとにかく重いことで有名です。昔はこれを持ってハイキングとか普通に行ってたけど、今考えるとよくやったな自分て思います。

費用も嵩むので、初心者の方はまずは35mmから初めてみるというアプローチが一番お勧めかと。いきなり中判から初めたのなら、悪くはないですが、ビビりますね。ええ、中判が最初のフィルムカメラなんっ?的な感じで。まあ私はそういった面白い人と友達になりたい、、、


3.大判カメラ

大判カメラ、私使ったことさえか、実際に目にしたこともないです。いつの日か。ということで、ここもYouTubeで凌ぎます。御免なさい。

大判カメラの紹介ビデオです

大判カメラを欲しいと思ったことはあんまりない笑

これ幾らするんやろ笑

4.ポラロイド(インスタントカメラ)

インスタントカメラですね。あの写真撮ったらカメラから写真がビーって出てくるタイプのやつです。

フィルムっていうか、なんていうですかね、↓こういうの使います

左Polaroid SX-70, 右がinstax mini

主なカメラは現在新品で買えるやつで、(そうですフィルムカメラなのに新品が買えるんです)

  1. Polaroid one step 2(Polaroid社)

  2. 富士フィルムチェキシリーズ (サイズいろいろあります)

フジのチェキはみなさんご存知かと思います。 小さいInstax miniていうカードサイズの写真が出てくるやつが有名です。私はPolaroid社のSX-70という古い物を使っています。インスタントカメラって中にごっついフィルムパックが入ってるのでどうしても大きくなりがちですが、SX-70は何と折り畳めるのです。でっかい財布感覚で持ち運びできますよ。

SX-70閉じた時

SX-70開けた時

ポラロイドとフジどっちお勧めするねんと聞かれたら、正直わかんないです笑

写真のクオリティは圧倒的にInstaxの方が良いです。Polaroidは晴れの日しか撮れないぐらいお粗末です。夜、室内は暗すぎたらアウトです。(フラッシュ付けたら別)ただその晴れの日に取るPolaroidはめちゃくちゃ綺麗なんです。ノスタルジックな感じがして、普通の35mmのフィルムよりこっち選ぶ時もあります。

値段でもInstaxが圧倒的に安いです。このPolaroidに使えるフィルムは8枚で2800円ぐらいします。8枚写真で2800円ですよ!ぱないっす。

そんな優秀なInstaxの欠点はデカすぎなところ。毎日持ち運ぶ私には大きすぎます。小さいタイプの Instax miniが存在しますが、それでは使用するフィルムがが自分の好みより小さいのです。ちょうど良いサイズのPolaroid 正方形写真を扱い、かつ持ち運びしやすいのはPolaroid SX-70しかないです、私はだからフィルムは高いですがSX-70を使っています。

どっちが良いかはご自身で判断を、、、、

いまいちど振り返ってみたら、自分めっちゃPolaroidやってたなと思います。はい、真ん中のは私です。昔は髪結っていました。

豆知識

Polaroidの正方形のフィルムの製造は2008年に終了になりました。(ちなみにフジのInstax以外のフィルムも同じぐらいの時期に生産終了しています)2010年代にポラロイド愛好家が結集して、生産していた工場を買取(恐らく確か)、チームでフィルムを”再現”し、(全く同じレシピではないです)Impossible Projectというブランドで生産開始しました。私もこれが売られるようになってからPolaroidを使い出したわけです。

数年前にPolaroidがまた、考えを改めImpossible Projectを確か買収したんちゃうかな??とにかくそのImpossibleのフィルムはなくなり、Polaroidの名前でこのフィルムが売られるようになったわけです。常に絶滅の危機に瀕したコミュニティがフィルム写真家です。

以上全てが、カメラの種類の紹介でした。

総論:カメラの機種

まあカメラの種類ここで紹介しましたが、写真撮れさえすればなんでもいいと思います。高いカメラは良いカメラであることは間違い無いですが、それよりも大切なのはあなたご自身が写真を撮るということです。私が高いカメラを買わない理由は(単に金がないという事実もあるけど)、良いカメラを買ってそれを汚したくないが為に写真を撮る回数を減らしてしまうからです。先の方でも述べましたが、良い写真=画質のクオリティが良い写真ではございません。個人的に気に入ってる写真界の文句があります:「高いレンズに金かけるぐらいなら、旅に出て今あるカメラで写真を撮れ」という物です。私もこれに同意します。絵描いてる身分の人はわかると思いますが、高い画材使ったからって良い絵がかけるわけないですよね。写真も同じです。100年も前の写真家が100年前のカメラで撮っていまだに崇拝されているのは、写真の画質のクオリティじゃなくて、それ以外に感じられる物があるから。安くて動くカメラで十分です。それよりもたくさん撮りましょう。


以上で紹介したカメラの写真のサンプル下に載せてます、(肖像権の問題で全然載せられねえ笑)

使用したフィルム:カラーは35mmも中判も基本Portra 400、白黒はIlford HP5です。

↓CANON AE-1


↓Olympus 35SP

↓Flexaret

↓Mamiya RB67 Pro S

↓Polaroid SX-70

↓Instax mini

以上がフィルムカメラの種類のご紹介でした。

どうでしたか?大体こんな感じのカメラがあると分かっていただければ嬉しいです。





本シリーズの目次 

(長々しく書いてるので必要なとこだけ見ちゃってください。)


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